一人一人の感謝の気持ちが大きな力になる。
あなたが感謝したいことはないんですか?
感謝を心に持つことは、私たちの心は満たされ、回復力を高めるのに役立つ大きな力になります。
実際、研究によると、感謝の気持ちを持つことは、爽やかな睡眠をもたらし、心臓の健康と免疫システムの機能を改善し、また気分を改善し、疲労を軽減し、燃え尽き症候群を防ぐ効果があることが示されています。
私たちが何かを受け取り、何らかの形でお返しをしたいと思うとき、人間は心からの「深い感謝」の感情を抱きます。この感謝の感情は考え方から行動へと変化します。私たちは、自分が感謝している「もの」から、「誰に」感謝しているかに焦点を変えるのです。
心の底から本当に他者に感謝の気持ちを表現すると、感謝することだけで達成できるある種の感情がもたらされます。
これにより、身体的および感情的な幸福だけでなく、人間関係の幸福も大幅に向上するのです。
難しい人間関係の影響
しかし、この感謝の気持ちを持てなくなったらどうなるでしょうか?
私の過去 25 年間の感謝についての研究と教育の中で、参加者から頂く最も多くの質問は、誰かに不当な扱いを受けたと感じたり、ひどい失望を感じたりしたときに、どうすれば感謝の気持ちを維持できるのかというものでした。
私たちの健康と幸福という観点からみて、この質問はとても切実で重要な質問であると思います。 研究によると、人間関係で問題を抱えていると、心臓病のリスクが 34% 増加し、慢性的なストレス、高血圧、炎症、免疫機能低下の主な原因にもなります。
私たちが「より心の大きな人間」になろうと努力しても、難しい人間関係の中で感謝の気持ちを持つことは不可能な場合があります。
私たちが実際に抱く感情は、「感謝」の正反対である、「憤り」となってしまいます。「感謝」は持っているものや周りの人、つまり与えられたもへの感情ですが、「憤り」は奪われたもへの執念にほかなりません。
日々の不満
ここで私たちが話しているのは、トラウマ的な憤りのことではなく、私たちが生活の中で抑圧したり我慢したりする傾向のある「日常的な不満」と私が呼んでいるもののことです。
私たちは、他人についてポジティブな考えだけを持つ「感謝の人」でなければいけないというプレッシャーを感じたり、不満を持つことに恥じらいを持ったりすることが多いため、普段あまり「日常的な不満」が注目されることがありません。
また、その「日常的な不満」は取るに足らないもののように思えたり、前に進むべきだと自分言い聞かせることもあるでしょう。 もしかしたら、私たちは平和や現状を維持するためには、「日常的な不満」を我慢することを必要なことだと考えているかもしれません。
あなたも人生の中で毎日のように不満を感じることがあるでしょう。
両親から兄弟がひいきされていると感じたり、 うるさい犬に対処しようとしない隣人がいたり、あなたより先に同僚が昇進したり、 家事や育児を自分にだけ押し付けられたり。
こうした日々の不満はくすぶり続け、私たちの喜びを奪い、健康、人間関係、職場に大混乱をもたらします。
また、その不満は私たちの意思決定を大きく支配することもあるのです。
不満から感謝の気持ちへ
まず第一に、これは不満を感謝に置き換えることではありません。不満を抱えている状況にポジティブな化粧をほどこすようなものと考えてください。
まず、感謝と不満が反対の存在状態であることを理解しましょう。そうすると、不満から遠ざかるたびに、感謝の気持ちに向かって進んでいることになります。
つまり、自分の不満を特定し、それに対して何かをしようとすることは、重要かつとても強力な感謝の気持ちを持つことへ行動となります。
しかし、この感謝の気持ちを持つことへの行動を実践するのは簡単なことではありません。
このような行動には、多くの場合、謙虚さと勇気が必要です。
私たちは、不満を抱いた相手が何らかの形で気づき謝罪するまで(多くの場合、何年も)待たなければいけないという、経験上の知識に基づいて、不満を自分の中に押し込めています。
実際のところ、私たちの中にある不満によって最も害を受けるのは私たち自身です。
ネルソン マンデラの有名な言葉にあるように、「憤りといういうものは自ら毒を飲み、それが敵を殺すことを期待するようなものです。」相手は自分が私たちに与えた苦痛にさえ気づいていないかもしれません。
不満に対処するための感謝の習慣
不満から感謝へ向かう時、感謝の気持ちへ完璧に移行しようとするのではなく、私たちが直面している難しい人間関係の、すべてに感謝しようとしているわけでもないことを覚えておくことが重要です。
以下に挙げるのは、不満から感謝へと向かうことに関連した感謝の習慣のほんの一例です。 私の著書『Untangling you: How can I think I can be believe in so rulli?』では、さらに多くのことが紹介されています。
自分自身への感謝
いつも心に感謝の気持ちを持っていようと思っていても、誰もがぶつかる壁は、私たちに危害を加えた人たちに対して感謝を表現すること、または不公平または不当な状況で感謝を表現することでしょう。
そのような状況下で、どうしても感謝の気持ちを表現できない場合、感謝の気持ちを持ち続けることを諦めるべきでしょうか。
どのような状況でも自分自身への感謝の気持ちを忘れてはなりません。 自尊心、または自己愛を持つことで、「他人からどのように扱われたいか」について、より明確な立場を保つことができるのです。
自尊心を明確にもち、自分自身の強さと回復力を構築することで、他の人が引き起こした痛みに対処できるようになります。
憤りを特定する
それらの傷つき、暗く、行き詰まった感情に「憤り」という名前を付け、それが私たち自身と周囲の人々の幸せに悪影響を与えることを認識するだけで、私たちはより強い力を持ち、それについて何かをする意欲を得ることができます。
時間はかかるかもしれませんが、前に進もうとする際に、自分自身に向き合い選択をすることができるため、客観性と主体性を高めることができます。
客観性と主体性を持つことにより、私たちが過去にその人について抱いていた、感謝など前向きな感情を思い出すこともできるかもしれません。
複雑な事柄は一度に 1 つずつ選択する
感謝の気持ちを意識的に実践すると、人間関係を優先するようになるでしょう。 もちろん、感謝の気持ちを表現するのが難しい人間関係も含まれます。しかし、それは決してネガティブなことではありません。なぜなら、そういった関係こそが、個人的な成長をもたらしてくれるのですから。
まず、憤りの感情を認識し、これに一定期間焦点を当ててみましょう。
この場合の憤りは、専門家の助けが必要なほどの憤りではなく、自分自身で少し勇気を出すことで、解決できそうなものを選択するのがいいでしょう。
憤りの感情を認識し向き合うという方法で、自分の憤りに対処し、感謝に変えることができれば、私たち自身の生活や、また周囲との関係において、より良い健全で平和的な関係を築くことができるようになるはずです。
このように、一人一人の小さな感謝の気持ちは、社会へ大きな影響を与えるのです。